
会社を退職したあとにハローワークに行けば、誰でも失業保険を受け取れるわけではなく、受給するためには一定の条件を満たしていることが必要です。
1 就職する意思と能力がある
2 積極的に求職活動を行っている
3 離職日以前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること
雇用保険での失業の定義でも紹介していますが、雇用保険では「退職=失業」ではありません。働きたいから転職活動をしているのになかなか就職が決まらない人だけに、失業保険を給付しています。
そのため、病気やケガ、妊娠と出産、病人の介護、何らかの理由による休養、専門学校で勉強をするなどの理由で、すぐに働けない人は失業状態と認められません。
「すでに就職が内定しているけど、就職するまで期間がある」
「お金は稼いでいないが、自営業を始める準備をしている」
「実家に戻り、家事や家業を手伝いをしていて、就職できない」
これらも就業状態と見なされ、失業保険は受け取ることができないです。逆に言えば、一般的に転職活動をしている人であれば、誰でも貰うことができます。

失業保険を貰うためには、まずは最寄りのハローワークに行って、初日の手続きを行わなくいけません。
全国のハローワークは土日祝日を除く、8時30分から17時15分まで開いています。
当日の持ち物については失業保険に必要なアイテムでも紹介していますが、初めてハローワークに行くときは次の7点が必要です。
1 離職票(1)
2 離職票(2)
3 雇用保険被保険者証
4 印鑑
5 最近の写真2枚(縦3cm×横2.5cm程度)
6 普通預金通帳
7 本人確認証明書(運転免許証や住民基本台帳カードなど)
また、ハローワークで最初に行う手続きは失業保険の受給申請ではなく、求職の申込みです。求職申込書に就職先の希望条件や経験した仕事を記入して、辞めた会社から貰った離職票と一緒に窓口に提出します。
窓口で離職理由などの質問を受けたのち、問題がなければ書類が受理され、失業保険の受給資格が与えられます。このあと「雇用保険受給資格者のしおり」が渡されたら、初日は終了です。

初日の手続きから約7~10日後に「雇用保険受給説明会」が行われるので、必ず出席します。受給説明会では失業保険の仕組みが2時間程度で説明されます。
そのときに「求職活動計画書」が交付されますので、これからはこの計画書に沿った求職活動をしていきます。
さらに失業保険の認定を受けるために必要な「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」も配られます。
この受給説明会から約1~2週間後に、ようやく第1回目の失業認定日となります。失業保険は一括で貰えるわけではありません。
4週間に1度、「就職活動をしているのに失業中である」ことをチェックするための書類申請と面談が行われます。ここで失業中と認定されれば、約4~7日後に指定した口座に失業保険が振り込まれます。
第2回、第3回、第4回と4週間に1度の失業認定日にハローワークに行き、失業認定を受ける手続きを繰り返していきます。

失業保険の給付期間は退職理由で変動します。自ら退職を願い出た自己都合が理由の人は「一般受給資格者」と呼ばれます。
一般受給資格者は失業が想定でき、再就職の準備に時間的余裕があります。そのため、失業保険を受けられる期間は雇用保険に加入していた期間が10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日間となっています。
| 年齢 | 労働期間 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 | |
| 15歳以上 65歳未満 |
- | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 |
一方、倒産や解雇によって強制的に退職させられた会社都合が理由の人は「特定受給資格者」と呼ばれます。
特定受給資格者は離職を余儀なくされてしまい、再就職の準備をする時間的余裕がありません。そのため、失業保険を受けられる期間は雇用保険に加入していた期間と退職時の年齢で違います。
| 年齢 | 労働期間 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 | |
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
| 30歳以上 35歳未満 |
90日 | 90日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上 45歳未満 |
90日 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上 60歳未満 |
90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上 65歳未満 |
90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
特定受給資格者になるための詳しい条件については退職理由で増える失業保険や自己都合を会社都合に変更、給付制限を解除する方法で紹介しています。

失業保険の給付額は退職前の6ヶ月間の賃金がベースになります。賃金とはボーナスだけを除いた、残業代や役職手当、税金を含めた給与です。
まずはこの退職前の6ヶ月間の賃金の総額を180日で割って、1日あたりの賃金である「賃金日額」を算出します。
例えば、6ヶ月間の賃金が合計で144万円でしたら、賃金日額は「1,440,000÷180=8,000円」となります。
この賃金日額に「一定の給付率」をかけると失業保険の日額手当が出るのですが、一定の給付率は年齢と賃金日額で16通りに分類されていて、計算するのに少々手間がかかります。
2011年8月時点では、例えば、退職者の年齢が30歳、6ヶ月間の賃金が144万円の場合、「(71,530-(3×8,000)×8,000)÷74,600=5,097円」という計算式になります。
この計算式にある71,530や74,600という数値は、前年度の日本人の平均収入が絡んでいるため、毎年変動します。
そのため、失業保険の給付額を計算では「賃金、年齢、勤続年数」を入力すると、自動的に失業保険の給付額が計算できるようにしました。これで複雑な計算をしなくても、失業保険の給付額が簡単にわかります。
受給資格の有無や労働契約