「失業保険で得をする」をテーマにした書籍が店頭に並んでいるのを見かけますが、中身は「雇用保険受給資格者のしおり」を噛み砕いて説明していたり、年金や節約、副業と一緒にしているだけだったりします。
最近、ネット上にも「失業保険のマニュアル」なる情報商材が出回っており、1冊あたり10,000~30,000円程度で販売されています。
「失業保険で200万円貰う裏技」「働かないで2年暮らせます」「○○万円得をするノウハウ」といったタイトルですが、玉石混交であり、中には「全く役に立たない!騙された!」と思う方も少なくないはずです。
基本的に失業保険を2倍にするのは難しいことではありません。
例えば、「失業保険で100万円も多く給付されました!」というキャッチコピーですが、退職理由で増える失業保険でも紹介している通り、退職理由が変われば給付額は増えます。
失業保険は辞めた瞬間に一括で支給されるものではありません。求職活動をして就職できないときにだけ、1ヶ月単位で給付されます。
要するにずっと就職できなければ失業保険は貰い続けることができるわけです。
ただ、自己都合の方は最長90~150日、会社都合の方は最長330日の制限があります。
そのため、自己都合を会社都合に変えれば、1.5~2倍の失業保険は貰えます。ネットで売られている2倍になる情報の中身は、ハローワークでも説明を受ける当たり前のことだったりします。
自己都合から会社都合にする方法も高額で販売されている「失業保険のマニュアル」には書かれています。
ただ、自己都合を会社都合に変更でも紹介している通り、ハローワークの職員に尋ねれば、丁寧に回答してくれる内容です。
実は会社都合になる理由はたくさん存在し、法律の知識を要することもなく、該当者なら知っているか知らないかだけで、実行するのは難しいことではありません。
むしろ、ハローワークの職員は失業保険の申請時に離職理由を必ず聞いてきます。
生活保護の申請を拒んだり、年金の説明が疎かになったりと、公務員の機転が利かない業務に良い印象を持っていない方もいます。
しかし、特定受給資格者の判別で紹介したように、退職者が会社に不満があって辞めていないか、その会社が雇用者の権利を害しているかハローワークはチェックしています。
そのため、失業保険の給付期間が長くなり、給付制限もなくなる特定受給資格者というのは、何も特別な存在ではなく、会社都合を訴えると認めてくれる権利です。
自己都合で退職することを会社は当たり前のように勧めてきますし、本人も何の疑問も持たないかもしれません。
ハローワークで深刻に相談してくる方は別ですが、職員も自己都合で申請してきた方には必要以上の探りを入れないため、本来は会社都合なのに自己都合で処理される場合があります。
もし、会社が悪いと感じることがあるなら会社都合になりえますので、まずはハローワークの職員に相談してみることです。
サービス残業があれば、「サービス残業が改善されないので辞めました」と訴えましょう。労働監督基準局から連絡が行き、残業代を取り戻せることもできます。
業務内容が就職時と異なり、希望を伝えても変更がない場合は「説明と実態が異なり、転職せざるおえない」と訴えましょう。前の会社に労働監督基準局から監査が入る可能性があります。
また、仮に自己都合で辞めたとしても、「自己都合でも3倍貰える失業保険」のようなタイトルの情報誌に誘惑されるかもしれません。
この仕組みは公共職業訓練を利用するのがほとんどです。公共職業訓練のメリットで紹介しましたが、特別に難しいノウハウではありません。
就職が決まった後でさえも、実際に働くまでは受講することもできる雇用者を守るための制度です。
給付制限もなくなりますし、失業保険の給付期間も延長でき、受講中も手続き不要で手当まで貰えます。そこだけに焦点を絞ると悪用できてしまうだけで、本来は再就職を希望する人のための仕組みです。
失業保険は失業したときだけにお世話になる保険ですので、なかなか具体的なイメージをできる人は少ないです。
粗悪で高額な情報に騙されないためにも、まずは自分から調べる姿勢と就職したいという気持ちが大切だと思います。
失業保険の求職活動の実績
転職に役立つ資格と技術