【漫画】失業保険まとめ!離職時の手続きから失業保険の受給まで

中野貴利人
監修者中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表
2021/11/23 更新本ページはプロモーションを含みます

「失業保険は6ステップ」

失業保険まとめ 失業保険を受け取るには6つのステップが必要です
離職時の手続き①
離職時の手続き②
離職時の手続き③

「ハローワークに行く」

失業保険の申請① 失業保険の申請は住所を管轄するハローワークで行います
書類や印鑑など次の7点を持参しましょう
失業保険の申請② 求職の申し込みをしてから窓口に離職票を提出すると 受給資格が決定します
ちなみに就職する意思や就職できる能力がない人は受給資格が貰えません

「説明会に参加しよう」

失業保険の申請③ 受給資格がある人は受給説明会の日を知らされ 雇用保険受給資格者のしおりを貰って帰ります
説明会① 指定日時に開催される雇用保険受給者初回説明会に参加します
説明会② 説明会の終了後に雇用保険受給者資格者証と失業認定申告書を受け取って帰ります
求職活動をする 失業認定日までに職業紹介や求人応募などの求職活動を行います

「現金が振り込まれる」

失業状態の認定 求職活動をしても就職できなかったときはハローワークで失業状態を報告します
失業保険の受給
今後就職できるまで 求職活動をする 失業状態の認定 失業保険の受給を4週間単位で繰り返します
なお失業保険では不正受給には厳しく対処しています
  1. ハローワークで失業保険を申請する
  2. スケジュールと給付額を確認する
  3. 求職活動をしなければいけない理由
  4. よくある質問と回答

ハローワークで失業保険を申請する

失業保険の給付を受けるためには、退職した会社から労働中の賃金や退職理由を証明する「雇用保険被保険者離職票1」と「離職票2」、雇用保険者であったことを証明する「雇用保険被保険者証」を受け取ります。

次に失業保険の受給資格を得るために、先ほどの書類3点に加えて「運転免許証もしくはマイナンバーカード、印鑑、写真2枚、本人名義の預金通帳」を持参して、あなたの住所を管轄するハローワークに行きます。

ハローワークの窓口で「求職の申し込み」と「失業保険の給付手続き」をして、いくつかの質問を受けたら失業保険の受給資格が決定します。次に約1週間後に開催される雇用保険説明会に参加して、失業保険の役割や注意点を理解します。

それが終わるとそれぞれの求職活動がスタートします。そのあとは原則4週間おきにハローワークに出向き、求職活動の実績を報告します。そこで失業状態が認定されると、5営業日程度で失業保険が振り込まれます。

スケジュールと給付額を確認する

失業保険のスケジュール

失業保険では「初めてハローワークで離職票を提出した日」を初日として、スケジュールが組まれます。ただし、退職理由が自己都合の人は、待機期間を完了したあとの2カ月が給付制限期間となり、失業保険の適用外であるため、振込日①と②には振り込まれません。

退職理由 自己都合
会社都合
提出日

項目 日付
待機期間
雇用保険説明会
失業認定日①
振込日①
失業認定日②
振込日②
失業認定日③
振込日③
失業認定日④
振込日④

これ以降も4週間おきに「求職活動を2回以上する、失業認定日にハローワークで失業の認定を受ける、5営業日程度で銀行口座に入金される」が繰り返されます。

また、注意点としては、各自治体によって該当日が1週間前後したり、祝日で該当日がずれることもあります。本人の都合でもずらすことができるため、正確なスケジュールを把握するときはハローワークの職員に相談します。

失業保険の給付額

失業保険の給付額は「賞与を除いた過去6カ月間の給与、年齢、勤続年数、退職理由」で決まります。例えば、6カ月間の給与が120万円、年齢31歳、勤続9年、自己都合退職の人では、1日あたり4888円が支給されます。

6カ月間の給与
年齢
勤続年数
退職理由 自己都合
会社都合

給付日数 日間
日額手当
月額手当
手当総額

上記の金額は目安であり、正確な情報はその地域を管轄するハローワークにて確認が必要です。また、厚生労働省により毎年7月に情報が改正されるため、現在は2020年7月時点の内容で計算しています。

求職活動をしなければいけない理由

求職活動をしなければいけない理由

失業保険とは「今まで働いていた人たちが自ら離職したり、解雇や倒産、定年などで職を失ったとき、新たな仕事が見つかるまでの間に支払われる給付金」のことです。

期間中は失業時の保険という位置づけで月数万~十数万円が受け取れますが、これは国民生活の保障のために存在しており、次の目的で成り立っています。

  1. 国民が失業中の生活を心配せずに、新しい仕事を探すことに専念する。
  2. 1日も早い再就職ができるように、求職活動に必要な資金を提供する。
  3. 職業教育訓練や専門学校にて能力を伸ばすための費用を給付する。
  4. 定年後の再雇用で賃金が低下しても、生活できるために支援する。

これらを踏まえて、失業保険の給付を受けるには「就職しようとする気持ちといつでも就職できる能力があって、積極的に就職活動を行っていながらも職業に就くことができない状態」という条件があります。

そのため、失業保険を貰う際は「28日間おきに決められた回数以上の求職活動をして、それでも就職できなかった」ことをハローワークの職員に確認してもらう作業が必要なわけです。

求職活動の回数は、1回目の失業認定日までは1回以上、2回目以降の認定日までは2回以上と決められています。ただし、雇用保険説明会や資格取得なども求職活動の1つとカウントできます。

また、再就職を希望していない人は「失業」とは認可されないため、失業保険が貰えません。よくある例では退職後に一時的に長期休暇や海外留学をするなど、就職活動をしない人です。

失業保険の対象外の人

結婚を機に専業主婦になる人、起業の準備をしている人、副業で生活できるほどの収入がある人、すでに内定を貰っている人などが、失業保険の申請に来ることがありますが、その人たちも原則対象外となることには注意です。

よくある質問と回答

──失業保険を貰うには何が必要ですか?

持ち物は「雇用保険被保険者離職票1と2、雇用保険被保険者証、本人確認書類、印鑑、写真、普通預金通帳」の7点です。離職票と雇用保険被保険者証は退職日の7~10日以内に会社から受け取れます。

──失業保険を貰うにはどこに行けばいいですか?

失業保険の申請先はハローワークになります。ただし、あなたが住んでいる地域を管轄するハローワークのみで受け付けており、それ以外では申請できません。ハローワークの利用時間は平日8時30分~17時15分です。

ハローワークでは最初に求職申込書に希望する職種などを記入してから、離職票と一緒に窓口に提出します。そこで面談と審査が行われて、問題がない場合は失業保険の受給資格が貰えます。

──ハローワークに行くと、いつまでにお金が振り込まれますか?

ハローワークで失業保険の申請をするだけで、いきなりお金が振り込まれるわけではありません。失業保険とは1カ月に2回以上の求職活動をして、それでも就職できなかった人だけに渡されるセーフティーネットです。

そのため、ハローワークの職員があなたの求職活動の内容を28日おきに確認します。そこで求職活動の内容を申告して、初めて28日分の失業保険が口座に振り込まれます。これを28日周期で就職できるまで繰り返します。

──失業保険はどのくらいの金額が貰えますか?

1日の給付額である日額手当は給与と年齢で上下します。ただ、基本的には賃金の50~80%に収まります。これはできる限り平均的に失業保険が支給できるように設計されているためです。

例えば、30歳で勤続5年の人では、給与が日給1万2000円(月給36万円)の場合は約50%分の6190円が支給されますが、日給4000円(月12万円)の場合は約80%分の3200円が支給される仕組みです。

また、給付日数は年齢、勤続年数、退職理由が影響しています。特に退職理由では倒産や解雇などの会社都合で離職を余儀なくされた人は、通常より給付期間が1.0~2.2倍に延長されます。

──失業保険の給付額は離職前6カ月間の給与の合計から計算されますが、これは支給総額と手取り額のどちらのことでしょう。また、給与に含まれる家族手当や住宅手当なども計算対象ですか?

残業代や休日出勤など、すべてを含めた支給総額が対象です。そこには営業手当や住宅手当などの諸手当、国民年金や健康保険などの天引き分も入ります。ただし、賞与は含めません。

──退職理由は自己都合より会社都合が有利と聞きました。

退職理由は「自分の都合で会社を辞めた自己都合」と「会社の都合で辞めさせられた会社都合」があります。会社都合のほうが突発的な事由であるために失業保険が手厚いです。

例えば、2カ月の給付制限がなくすぐに失業保険が貰えたり、給付日数が延びるために失業保険の最大支給額が1.0~2.2倍も増えます。

仮に会社都合にもかかわらず、自己都合で申請されているときはハローワークの窓口にて相談することで、あとからでも変更することができます。

──求職活動で嘘を付いたらどうなりますか?

失業保険は「働きたくても働けない人のための保険」であるため、失業保険を貰う必須条件としては「原則月2回の求職活動をする」ことが決まっています。

この求職活動で虚偽報告をしたときは、段階的に「失業保険の支給が停止される、受給した失業保険を返還する、受給した金額の倍を納付する、返還しないと延滞金が加わる、詐欺罪として刑事告訴される」ことが決まっています。

──失業時に貰える手当ては失業保険以外にありますか?

職業訓練受講手当や住居確保給付金があります。職業訓練受講手当は、失業保険を貰えない人のためにある給付金です。ハローワークが指定する職業訓練を受けると、月額10万円の職業訓練受講給付金と交通費が貰えます。

ただし、本人収入が月8万円以下、金融資産が300万円以下、住居を所有していないなどの条件はあります。

住居確保給付金は、離職で今の住まいに住めなくなる人に支給されます。各自治体によって支給上限が異なりますが、東京23区在住の単身者の場合は月額5万3700円が最大9カ月間貰えます。

また、ハローワークではお金を借りることもできます。単身者の場合は生活支援費として月額15万円を最大1年間借りられます。他にも住宅入居費、一時生活再建費、福祉費、教育支援費など、目的別の貸付制度があります。

──ハローワークで再就職先を探していますが、なかなか採用されません。就職は一旦諦めて、生活保護を受けることはできますか?

生活保護は貯金や資産がなく、親族からの支援も受けられない人のセーフティーネットです。仮に生活ができない場合は最寄りの役所の社会福祉課や生活福祉課、もしくは福祉事務所に相談をしてみましょう。

原則14日以内の調査期間を得て、生活保護受給の有無が決定します。

──会社を辞めても住宅ローンは今まで通り支払わなくてはいけないのでしょうか?

住宅ローンは公的機関ではなく個人と金融機関の契約です。失業の有無問わず、住宅ローンは返済する義務があります。ただし、早めに融資を受けている金融機関に相談することで、返済を遅らせてもらうことはできます。

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会社員向けの副業が学べる本

自由にはたらく 副業アイデア事典
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著作・制作

中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表
5冊目の著書「自由にはたらく 副業アイデア事典」を上梓。26歳で副業を法人化し、現在16期目。メディア掲載実績は日経、読売、朝日新聞など150回以上。2児の父。

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